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会計と監査実務の最前線
新聞記事など最新の話題で会計的に気になることを公認会計士・監査人の立場から鋭くコメントします!
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会計士試験合格者の受け入れ先は?
金融庁、会計士合格者の育成や職域拡大に関する中間報告を公表へ

平成18年から施行されている新公認会計士試験によって、合格者数は増加しました。特にそれまでは、合格か不合格のどちらかだったのが、「全科目合格」と「(一部)科目合格」という制度ができています。

増加した合格者の就職先としては、主に大手監査法人が挙げられます。
3年程前までは、四半期決算や内部統制監査の導入を目前にしていたため、各法人とも合格者の争奪合戦を行い、当時、法人内にいた私の記憶でも「少し行き過ぎのリクルート活動」の印象が残っています。その時は、「全科目合格者」については、基本的にどの監査法人にリクルートに行っても、内定が出る状況でしたので、行きたいところを自由に選べる状況でした。また、一部科目合格者についても、一部科目の合格が有効である2年のうちに、残りの科目に合格することを前提として、手厚い採用が行われていました。

それでは、現状はいかがでしょうか・・・

昨年度の採用辺りから既に顕著になってきましたが、大手監査法人における採用はかなり絞られている状況です。
経営環境の悪化による監査報酬の値下・現状維持に加え、内部統制報告制度も一段落したことを受けて、今年度における監査法人の業績は厳しいものになることが予想されます。監査法人のコストのほとんどは人件費関連支出ですので、当然に新規採用は絞られる傾向が続くでしょう。

実は、私が某大手監査法人に就職した1995年頃も、リクルートの状況はかなり厳しいもので(私は運良く就職できましたが)、当時、公認会計士試験合格者が通う実務補習所では、大手監査法人に就職できた人は2~3割程度でした。残りの人は中小法人や企業内会計士、就職浪人(翌年に大手監査法人に再度トライ)などが多かったです。
会計士業界においては、その後、買い手市場と売り手市場を2~3年程度のスパンで繰り返しているような状況です。

辛口なコメントをすれば、そもそもこの業界(特に大手監査法人)には、中長期的な視野での人材採用方針が希薄であり、例えば、内部統制報告制度など、何か大きな制度が導入され「人が足りなくなりそうだ」となれば、対処療法的にリクルート活動が過熱し、ブームが過ぎると、一転急速に冷え込むという状況を繰り返しています。これでは、受験者や合格者がかわいそうです。

いずれにせよ、大手監査法人による合格者の受け入れは減る模様ですので、日本公認会計士協会としては、企業側にも公認会計士合格者の受け入れを求めていくアクションプランを公表する予定とのことです。

ただし、合格者側からすれば
・大手監査法人の方が、初任給含め、給与水準が高い
・企業内会計士となり、万が一、財務関連業務以外の職場に配属された場合、公認会計士登録の要件となる実務経験資格が得られないかもしれない
などの懸念があり、やはり、まずは大手監査法人に就職したいとの希望があるようです。

この感覚はよく分かります。公認会計士の主たる独占業務は、会計監査ですので、将来どのような業務をメインにするかはともかくとして、最低3年くらいは、大手監査法人で最先端の監査実務を習得し、公認会計士登録をしたいと考えるのは、至極当然です。

ただし、新卒就職から10数年、監査業務のみに従事した身で自戒の念も込めて言わせてもらうと、
「実際にビジネスを行い、会計処理を考え、財務諸表を作成する主体である企業における業務経験は、その後、公認会計士としてどんな業務に従事しようとも、変えようのない貴重な経験・ノウハウになる!」
ということです。

実際、欧米では「企業内会計士」の人数も多く、彼らは財務戦略をたてるうえで貴重な戦力になっています。

企業にどんどん若手の公認会計士を採用してもらうと同時に、大手監査法人と企業の短期相互出向を行うなどの施策を講じて、日本においても真の会計プロフェッションの構築を目指して欲しいものです。
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コメント
同感です
まさに同感です
[2009/08/25 20:31] URL | くたばっていしめい #- [ 編集 ]


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プロフィール

公認会計士 若松 弘之

Author:公認会計士 若松 弘之
某大手監査法人で監査の最前線に立ち10数年・・・
そこで感じた問題意識を実践するために2008年10月に独立開業しました。現在は、公認会計士若松弘之事務所の代表として、監査だけではない会計関係全般の業務を行っています。
http://www.wakamatsu-cpa.com/

会計や監査にまつわる問題点やコメントを自由な立場から深く切り込んで積極的に発信していこうと思っています。
応援よろしくお願いします。

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