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会計と監査実務の最前線
新聞記事など最新の話題で会計的に気になることを公認会計士・監査人の立場から鋭くコメントします!
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司法試験合格発表
本日の新聞で、司法試験の合格発表の記事が出ていましたね。現在は、基本的に法科大学院修了者が試験に臨む形になっており、約4分の1程度が合格するとのことでした。
しかしながら、公認会計士同様に、司法試験に合格し、弁護士になってからなかなか職に就けないことが社会問題になっています。
我々は、よく周りからは「就職難といっても、資格があるんだから、なんとか食っていけるでしょう」と言われることもあります。これは一面事実です。その専門資格で一定の知識と経験があればです。
一方、ペーパーテストを合格しただけの専門家が「何とか食っていく」、すなわち、専門的な知見によって、他者から適正な報酬を受けることは至難の技ではないかと思います。それは、これだけインターネットが普及し、専門業務と言えども、コモディティー化と低廉化が進んでいる状況で、最終的に付加価値や差別化を生み出すのは、実務経験と言えるからです。もちろん、実務経験にあぐらをかいて、新しい知見のインプットをサボるのは、専門家として失格になります。要は、知識と経験のバランスがとれている専門家に対して、クライアントは報酬を払うのではないでしょうか。
もちろん、人柄も大事なのは、言うまでもありません。

Written by Hiroyuki Wakamatsu(公認会計士若松弘之事務所
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資産除去債務の会計基準に対する感応度
2010年4月1日以後開始事業年度から適用される資産除去債務の会計基準・・・・内容は理解されているのでしょうか?
会計セミナーの主催者等に聞くと、ここ1~2ヶ月で、さすがにやばいと思った企業実務担当者が大勢セミナーに押し寄せているとの話がありましたが、いまだ、具体的な準備に着手していない企業もあるように聞き及んでいます。

心配です。

決して煽るわけではありませんが、「2010年4月1日以後開始事業年度から適用」という意味は、四半期決算が導入された今となっては、2010年6月末の第1四半期までに期首残高及び期中費用処理をして、監査法人のレビューも受ける必要があるということです。決して、2011年3月末決算までに何とかすればいいと言う話ではありません。
そう考えると、残された時間は正味半年あるかないかであり、その間にも2010年3月決算に縛られる時間(賃貸等不動産の時価開示や金融商品の注記情報拡大などの新規適用あり)があることを考慮すると、実質的に使える時間がかなり限られるということです。

では、資産除去債務の会計基準対応にどれだけの準備時間がかかるかについてですが、これは、ケースバイケースとしか言えません。
以下、想定です。

【準備時間がかかると考えられる企業】
・自社不動産を古くから分散所有しており、その情報が体系的に管理されていない。
・製造業で工場や事業所を数多く抱えており、アスベスト・PCB・土壌汚染が含まれている可能性が高い。
・子会社も広く自社不動産を保有している。
・営業所や販売店舗などが数多く展開されており、定期賃借物件である。

心配しているのは、準備不足の企業が適切に会計処理できなくなることではなく、
企業全体として、資産除去債務を真面目に見積もるのは実務的に限界があり、特に土壌汚染関連は「IFRSアドプションまで手つかずのなるのは当たり前の話」との雰囲気が支配的になることです。こうなれば、監査法人としても、「赤信号みんなで渡れば怖くない」ではないですが、具体的な売却予定がない限り、自社保有土地に関しては、土壌汚染リスクの判定もそこそこに目をつぶり、アスベストについては明らかな兆候や目視できるものがなければパスする方向が想定されます。

残るハードルは、賃貸借物件の原状回復費用ですが、ここについても、いくつかの企業からヒアリングをしたところ、大多数の意見として、「過去に営業所の退去や移転等の実績はあるが、かならずしも平均化できるものではなく、今、賃借している営業所について、何年後に退去し内部造作物等が除去されるかは見積もることができない」というものでした。

確かにごもっともですが、果たして、これをもって、監査人が「それなら『合理的に見積もることができないケース』ですね」と行ってくれるかと言えば、NOではないでしょうか。

やはり、何らかの前提をおいて、会社の投資回収計画や経営計画等、将来の意思も踏まえて、何年後の除去する見込みであると言い切る必要があると考えます。この手の会計処理は、決め事です。
会社の決めた前提が明らかに合理性を欠くと言い切れない以上、監査人もなかなか否定はできないことでしょう(監査人側から否定する場合、否定の明確な根拠と、「それでは何年ですか?」についての回答を持ち合わせる必要がある)。

まずは、定期賃貸借物件を数多く抱える企業は準備時間に余裕を持って臨みましょう。


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ブログ再開です。
しばらく、ご無沙汰していましたが、仕事も区切りもついたので、心機一転ブログを再開したいと思います。
いろいろ書きたいことはあるのですが、日常業務との両立にとって長文コラムは負担が大きいので、なるべく長続きするよう、短めのトピックをなるべく高頻度で更新していこうと考えています。

以前少し書いたかもしれませんが、現在、自分の中で問題意識または興味を持っているテーマは、「会計と不動産」です。個人的には損益計算も重要と考えていますが、昨今のIFRSの流れを受け、世間的にはやはり「B/S重視」の方向に行っています。
B/Sは「貸借対照表」から「財政状態計算書」に変わることになり、まさに一時点の企業の財政状態、もっと言えば、時価純資産、さらに言えば(言い過ぎかもしれませんが)売却価値、を計算した書類になっていくことでしょう。
そして、損益計算は、2つの財政状態計算書の増減要因を表す計算書という位置付けになり、財政状態計算書のなかでもとりわけ重視される純資産の増減について、包括利益という概念でつなぐことになります。

さて、「B/S重視」の世の中になった時に、もっとも重要性のある資産は何でしょうか?
通常の連結財務諸表であれば、流動資産よりも、固定資産の方が金額的には多いと思われます。
次に、固定資産の中では、有形固定資産(事業用資産)が重要性が高いと思われます。
業種によりますが、有形固定資産の中では、建物、土地等の不動産が多額の資産として計上されることも多いのではないでしょうか。
国交省の統計値として、全法人の所有資産合計1,344兆円のうち、不動産は約490兆円にものぼるというデータがあります。
企業価値を向上させるためにはいくつかの手段がありますが、有効な一手段として「企業不動産の財務戦略」が挙げられるでしょう。

企業不動産を有効利活用しようという話は今に始まったことではなく、従来から企業経営戦略における重要なテーマの一つでしたが、今、あえて公認会計士の立場でこれを主張するのは次の理由によります。

➣IFRSコンバージェンスからアドプションの流れの中で、不動産に関連する会計基準が複数適用されることになっており、その会計基準を企業価値向上と整合的に賢く適用する企業と、そうでない企業の違いが大きくなるであろうこと。

➣これまで企業不動産は含み益があれば決算対策に使え、財務余力がある企業にとっては本業の収益の落ち込みをカバーする「孝行息子」としての投資不動産という側面もありました。また、減損会計においては、特定の事業資産グループの収益力が低下した場合であっても、たまたま簿価の低い土地(例えば、昭和初期の創業当時から保有したいた土地)で事業を行っていれば、正味売却可能価額にその多額の含み益が積算され、その他事業資産の減損をカバーすることにより、結果的に減損損失の計上を先送りできると言うこともあり得たと思います。その観点からは、企業不動産は財務余力の象徴であったと思います。
ところが、資産除去債務や、さらに進んで環境債務の会計処理が導入されたり、各種の環境保護法令が厳格化される状況になれば、企業不動産はまぎれもない「リスク資産」になります。大げさかもしれませんが、時にリスクが顕在化することによって、企業の存続に重大な影響を及ぼす可能性もあります。従って、如何にリスクコントロールを適切に行うことができるかが問われる状況になってきています。

➣企業収益が厳しさに直面している現況下、限られた経営資源を有効活用することは必須の課題ですが、比較的効果が出やすく、その幅も大きいと思われるのが不動産戦略であること。

一つの懸念は、新聞や雑誌等で「CRE(Corporate Real Estate)戦略」というキーワードを目にする機会が増えましたが、主導プレーヤーが不動産会社を中心としているため、その裏に、”CRE戦略=不動産取引の活発化=不動産売買手数料の増加=不動産会社のメリット” という構図が見え隠れしていることです。

不動産を動かすことはあくまで結果であり、それが目的にならないよう、不動産サイドからではなく、会計サイドから不動産戦略を構築していくことに意味があると考えます。

~続きは次回~


これだけは読んでおきたい報告書!!
会計制度委員会研究報告第13号
「我が国の収益認識に関する研究報告(中間報告) -IAS第18号「収益」に照らした考察- 」
平成21年7月9日 日本公認会計士協会
(PDF資料はこちら

すでに実務家の皆さんにおいては認知されているかと思いますが、今後、IFRSの適用(採用:アドプション)を目指す上で、避けて通れない「収益認識」の論点について、ついに我が国の会計基準においてもメルクマールとなる報告が公表されました。
本報告が公表されるまでは、収益認識に関する会計処理についてはは、一部の建設業・工事取引やソフトウェア取引を除き、企業会計原則の実現主義のみが実務の指針となっていました。
企業会計原則においては、一般に「財貨の移転又は役務の提供の完了」とそれに対する現金または現金等価物その他の資産の取得による「対価の成立」の二つが収益認識要件とされていると記述されているのみです。
さすがにこの概念的な記述だけでは実務において複雑で多種多様な取引の会計処理を判断する上で辛いモノがありました。

個人的にも売上の会計処理という企業会計の根幹を支える部分が、会計基準や実務指針のうえでスッポリ抜けているような感を抱いていました。
逆に言うと、判断を要する収益取引が発生した場合、他社例や過去の慣例、他国の会計基準等を参考に、会計士が専門的判断を行ってきた部分でもあります。
従って、場合によっては、同一環境下の同種取引であっても、個々の会計士判断によって、会社別に異なる収益認識処理が採られている可能性もあります。

このような背景から、企業の経理担当者や会計監査人からは、より実務に根ざし実際の取引事例等を多く盛り込んだ指針の公表が待望されていました。
当報告を作成した日本公認会計士協会の会計制度委員会では平成19年12月に収益認識検討のプロジェクトチームを設置して、約一年半かかり、全148ページにも渡る大作のリリースの漕ぎ着けました(F委員長、大変にお疲れ様でした。今度、苦労話を聞かせてください)。

私も詳細には目を通し切れておりませんが、ざっと見たところ、かなり多くのモデルケース(67ケースを収蔵)が盛り込まれ、現状、研究報告という位置付けのため、会計基準としての強制力はないものの、企業と監査人が収益認識について議論するうえで、間違いなく論点を整理するものとして活用されるものと考えます。
議論の流れとしては、日本基準の現行実務とIAS第18号「収益認識」を比較した上で、我が国の実務慣行も考慮したあるべき指針を提示しています。

最終的には2015年以降のIFRS強制適用を念頭におけば、いきなりこの時点でハードランディングするのではなく、
そこに至る事前準備段階として、現行、日本基準適用下においても収益認識の会計処理を見直す企業は自主的に会計処理を変更すべき(それが2015年のソフトランディングにつながる)と思われます。

なお、本報告の位置付けに関して、少し長い引用になりますが、重要な部分なので以下参照ください。
「2.本研究報告の位置付け
本研究報告は、当協会会員の業務の参考に資するものである。
したがって、本研究報告の公表により、収益認識に関し、これまでの実現主義の解釈の下で認められてきた会計処理から本研究報告に記載された会計処理への変更が強制されることはない(注)。
 
(注)本研究報告は、同一の取引及び事象について、特定の会計処理の採用を強制するものではなく、本研究報告公表後においても他の会計処理を任意に選択する余地がなくなるわけではない。このため、本研究報告に記載された会計処理を採用しても「会計基準等の改正に伴う会計方針の採用又は変更」には該当しない。
企業が本研究報告に記載された会計処理を任意で新たに採用するに当たっては、その実態により、現行の実務と同様、以下の2つのケースが考えられる。
①複数の会計処理が認められている場合の会計処理の変更
②契約形態の変更等による新たな事実の発生に伴う新たな会計処理の採用
①に該当する場合には、会計方針の変更9に関する「正当な理由」(「適時性」を含む。)が求められることになる。
なお、「適時性」を判断する上で、本研究報告の公表が背景の1つとなるのではないかとの意見がある。
一方、②に該当する場合には、会計処理の変更に該当せず、追加情報として取り扱われることになる。」


赤字箇所がポイントですが、本報告が出てすぐのタイミングであれば、本来、会計方針変更の正当な理由として実務的に記載のハードルが高い「適時性」(会計方針を変更するのは分かるけど、なぜ、当期に変更する必要があったのか?)については、「本報告の公表を契機」とすれば放免するというように読めます。
薄々、現行の収益認識基準が実態から逸脱していると分かっていながら、会計方針を変更するタイミングがなかった企業にとっては、またとない好機ではないでしょうか。


個人的見解ですが、本報告に従うならば、影響が大きそうなポイントを記載します。
***********************************************************
①実態として複合取引(物品(ハードウェア)+保守、研修など(ソフトウェア))であるものの、IT・ソフトウェア業界ではないため、一括収益認識を行っている企業においては、今後、異なる要素を合理的に公正価値測定して、それぞれ別個の収益認識を求められる

②日本の会計慣行や風土においては、売上高よりも利益が重視される傾向が強く、今まで、売上高の総額・純額処理について厳密に議論されてこなかった面がある。しかしながら、欧米においては、売上高が企業業績評価において、利益と同等以上に重要な指標になることも多く、総額・純額処理については厳格な適用を求められてきた。この考え方が本報告においても取り上げられており、これに従うのであれば、相当数の事業、企業において、総額→純額への変更が必要となるのではないか?
特に、商社や百貨店などを筆頭に、問屋・手数料商売を行っている企業は多く、仮にこれらが純額となれば、売上高は激減(多くても、現行売上高の10%程度まで減少)するものと考えられる。

③現行、大多数の企業で採用されている出荷基準として収益認識されている部分については、厳密には、先方引渡し又は検収基準への変更を求められるが、出荷~引渡のタイムラグが短く、所有権移転リスクも高くなければ、影響は限定的と考える。
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以上、まだまだ読み切れていませんので、しばらくして、第2弾をコメントしたいと思います。

繰り返しになりますが、企業会計の実務に何らかの形で携わる方は、是非、ご一読するべきと思います!!

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書評「整理HACKS!?1分でスッキリする整理のコツと習慣」(著:小山龍介/出版社: 東洋経済新報社 (2009/06))

個人的には、結構、仕事上、IT化を進めているつもり(下記参照)でしたが、この本を読んでまだまだやるべきことがあるなと思いました。
【現在のIT環境】
PC:Desktop PC(Windows)、Note PC(MacBook)、
MOBILE Phone:iPhone3G
Printer:HP LAN対応
以上をAir Mac Express(無線LAN)で繋いでいます。

また、同書でも紹介されている、スキャナーのSCAN SNAP1500も愛用しています(コストパフォーマンス高いです)。
さらに、オンラインストレージについては、いろいろ試しており、現状、RICOHのquanpzumodriveを使用していますが、早速、同書にならってSugersyncも導入し、さらにSafariからfirefoxへの変更も目論んでいます。それにしても、firefoxのアドオン機能(様々な追加機能をいとも簡単に加えることができる)は強力なんですね。

新しもの好きの自分としては、その他にもいくつか興味に惹かれる「ハック」がありました。
個人事業主やSOHOの方はぜひご一読する価値のある本だと思います。

それにしても、最近はこのようなHowTo系の本がよく売れていますね。
やはり、これだけ世の中に情報があふれると、いかに情報を整理するかが生産性を上げる重要なポイントということでしょう。


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プロフィール

公認会計士 若松 弘之

Author:公認会計士 若松 弘之
某大手監査法人で監査の最前線に立ち10数年・・・
そこで感じた問題意識を実践するために2008年10月に独立開業しました。現在は、公認会計士若松弘之事務所の代表として、監査だけではない会計関係全般の業務を行っています。
http://www.wakamatsu-cpa.com/

会計や監査にまつわる問題点やコメントを自由な立場から深く切り込んで積極的に発信していこうと思っています。
応援よろしくお願いします。

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