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会計と監査実務の最前線
新聞記事など最新の話題で会計的に気になることを公認会計士・監査人の立場から鋭くコメントします!
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相次ぐ粉飾決算!粉飾決算のメカニズム(初級編)③
(前回からの続き)
粉飾決算が発生するメカニズムの3つめである【③粉飾を実行する機会】とは?
前2回で、【粉飾の機会動機・目的】と【粉飾を正当化する姿勢】について述べました。
後は、これに【実行する機会】が伴うかどうかです。どんなに強い動機と目的があったとしても、非常に強固な内部統制やチェックシステムが構築されており、「粉飾をしてもすぐに見つかってしまうな」と思えば、人間、必ず躊躇し、思いとどまるケースが多いでしょう。すなわち、巷で発生している粉飾や不正の裏には、その実行を許してしまった機会が存在します。
分かりやすいケースとしては、
1)特定業務について最初から最後までがすべて同一人物に任せられており、他者のチェックが効いていない。
2)会社に不正を見逃す雰囲気や売上や利益を上げれば多少の逸脱を許す姿勢があり、「多かれ少なかれみんなやっているから…」という状況がある。
3)内部統制の仕組みがない、または脆弱で、内部・外部からの監査がない。
4)ベテランが重んじられる風潮があり、ローテーション制度がない。
5)株主や金融機関も決算書に細かいチェックを入れるわけでもなく、体裁や形式面を整えれば粉飾が発見される可能性がほとんどない。
などが挙げられます。

このような状態を是正するためには、内部統制の基本中の基本ですが、以下が有効です。
❶事前承認ー【予防的内部統制】
❷事後チェック・レビューー【発見的内部統制】
❸一連の業務の役割と責任を物理的に区分するー【職務分掌】

一言申し添えるとすれば、「粉飾や不正に手を染めた人はもちろん悪いが、それを許してしまった環境、ひいては経営者の責任も同じ位重い」ということです。
粉飾や不正に走ってしまった人はその後の人生の大きな部分を失うことになります。もし、企業の内部統制がしっかりしており、良からぬ考えを振り払うことができたら、と考えると経営者の責任は重いのではないでしょうか。

これまで3回に渡り、粉飾の発生要因を述べましたが、もう一度まとめると以下のとおりです。
粉飾の発生要因

次回は、粉飾のパターンについてコメントしたいと思います。

Written by Hiroyuki Wakamatsu(公認会計士若松弘之事務所
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プロフィール

公認会計士 若松 弘之

Author:公認会計士 若松 弘之
某大手監査法人で監査の最前線に立ち10数年・・・
そこで感じた問題意識を実践するために2008年10月に独立開業しました。現在は、公認会計士若松弘之事務所の代表として、監査だけではない会計関係全般の業務を行っています。
http://www.wakamatsu-cpa.com/

会計や監査にまつわる問題点やコメントを自由な立場から深く切り込んで積極的に発信していこうと思っています。
応援よろしくお願いします。

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