税制改正に伴う税効果会計対応セミナー |
先日、みずほ総研様主催の「税制改正に伴う税効果会計の決算対応」というテーマでセミナーを開催しました。約50名程度の皆様にお集まり頂き、熱心にご受講頂きました。 改正もののセミナーは「賞味期限」があり、あまり回数を実施できないため、マテリアル制作負担を考えると、講師側になかなか厳しいところがあるのですが、ニーズがあったお集まり頂く方のためなるべく分かりやすいスライド作りを心懸けました。 自画自賛ですが、それなりに分かりやすいスライドができましたので、弊事務所ホームページでも公開したい思います。 よろしければこちらにアクセスして頂き、ご自由にご利用ください!
※なお、意見・見解に係る部分は、筆者の私見でありますので、会計処理等については、ご担当の公認会計士・税理士等の専門家にご相談ください。


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書評「本当に使える IFRS適用ガイド」 |
日本でのIFRS適用時期の議論は依然として、推進派と反対派の間でかみ合わない議論が展開しているようですが、世の中的には、オリンパスと大王製紙の会計スキャンダルが人々の関心を集めています。 オリンパスの第三者委員会報告では、金融商品に関しての巨額の含み損の顕在化を恐れて「飛ばし」スキームに踏み切った点や、負債から資本への振替の際に、公正価値測定を経た上での振替えが義務付けられ、まもなく簿価振替えができなくなるというタイミングぎりぎりで不正処理を行った点などが明らかになっており、この点からは、会計基準が厳格化・透明化(時価評価)されることが、不正を働いている会社にとって一定のプレッシャーになることが改めて浮き彫りになったような気がします。 したがって、IFRSの強制適用の会計理論的な是非はあるものの、新しい基準を導入することにより、企業には今までの負の遺産たる会計処理を見直す機会を与え、かつ、不正処理を行っている企業にはイエロー(レッド)カードを出すチャンスになると言えるのではないでしょうか。 今回の事案によって、「社外取締役の義務付け」などに代表されるように、企業のコンプライアンスを更に強化しようという政治的な動きが加速するのは間違いないでしょうし、場合によっては、ヨーロッパに追随するように、監査法人のローテーション制度が真剣に議論されるのではないでしょうか。私が監査法人に入った当初からのジレンマである「クライアントから報酬をもらっていながら、真の独立性を堅持できるか」とう監査制度の核心にメスが入るのは時間の問題かもしれません。それはそれで、いいことなのでしょう。 さて、前置きが長くなりましたが、IFRS関連でお勧めしたい書籍があります。 タイミング的には、今はIFRSという海原は「凪の状態」ですが、そういう状況であればこそ、一歩冷静な観点で読める本です。テクニカルで難解な技術論ではなく、J-SOX対応の二の舞にならないため、どのような心の準備と体制を築けばいいかという意味で非常に参考になる本です。機会があれば是非、手に取ってみてください。
ムリなく・ムダなく・スピーディー! 本当に使える IFRS適用ガイド

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監査法人のリストラ |
9月末は、私の元の職場である某監査法人の会計士の方から多くの「退職のご挨拶メール」を頂きました。 ご承知のとおり、監査業界は構造的な不況にあり、J-SOX特需からIFRSへの期待という点で、大量に試験合格者を採用してきました。もちろん、これは監査法人だけの独断ではなく、CPA合格者を国策として増やし続けてきた金融庁行政指導の一環もあったと思います。 いずれにせよ、コストの大半を人件費が占める監査業界において、監査契約の減少、監査報酬の伸び悩み、J-SOX特需の消滅とIFRS業務の低迷という「三重苦」に見舞われた今、取りうる経営手段としては「早期退職プログラム」だったというところです。
問題はこの大リストラがどのような影響として現れるかです。
1つめは、もちろん比較的、若手・中堅で監査法人を退職した人がどのような職に転ずるかです。 2つめは、残された側が、手薄な監査チーム構成のなか、どの程度、監査水準や質を維持できるかです。
この辺は少し落ち着いて考えてみたいと思います。
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IFRSの功罪 |
会計業界問わず、巷ではIFRSの強制適用が延期になるとか、適用範囲が縮小されるとか、いろいろ物議を醸し出していますね。
延期を「ウェルカム、待ってました!」という企業と「いまさら延期と言われても、もうプロジェクトが進んでいるから後戻りはできない!」という企業に二極化するだけであり、それはとどのつまり、完全にドメスティックであり海外投資家もいないような企業と、事業をグローバル展開しておりIFRSのアドプションは少なからずメリットがある企業に分かれるのは当然のことでしょう。
何となく考えもなく、全面的に強制適用しようとしていた状況にくらべるとメリハリがついて良かったのではないでしょうか。 IFRS自体の会計基準としての完成度や、日本企業への適応度、公正価値偏重の行き過ぎなど、諌めるところはあることは間違いないでしょうが、一方でどの会計基準を物差しを使うかの是非はあるにせよ、今や会計も経済も、国対国のグローバルな戦争になっている以上、国益を意識したところでの国家としての会計・税務戦略は持つべきでしょう。その観点では、欧米または韓国・台湾と比較して、後手に回っている感は否めません。
一言だけ、IFRSの実務に携わっている者として言えることは、IFRSの業務には日本の会計実務にない新しい解釈が必要であり、それは即座に答えが見つかるものではないが、会計士としては知的好奇心をくすぐられる部分であり、案外、ネガティブな話ではないということです。私自身は、監査法人を離れて約3年ですが、純粋な会計論議で、監査法人ときちんとしたディスカッションができるのは、JーSOXの時にはなかった「やりがい」につながると思っています。
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相次ぐ粉飾決算!粉飾決算のメカニズム(初級編)③ |
(前回からの続き) 粉飾決算が発生するメカニズムの3つめである【③粉飾を実行する機会】とは? 前2回で、【粉飾の機会動機・目的】と【粉飾を正当化する姿勢】について述べました。 後は、これに【実行する機会】が伴うかどうかです。どんなに強い動機と目的があったとしても、非常に強固な内部統制やチェックシステムが構築されており、「粉飾をしてもすぐに見つかってしまうな」と思えば、人間、必ず躊躇し、思いとどまるケースが多いでしょう。すなわち、巷で発生している粉飾や不正の裏には、その実行を許してしまった機会が存在します。 分かりやすいケースとしては、 1)特定業務について最初から最後までがすべて同一人物に任せられており、他者のチェックが効いていない。 2)会社に不正を見逃す雰囲気や売上や利益を上げれば多少の逸脱を許す姿勢があり、「多かれ少なかれみんなやっているから…」という状況がある。 3)内部統制の仕組みがない、または脆弱で、内部・外部からの監査がない。 4)ベテランが重んじられる風潮があり、ローテーション制度がない。 5)株主や金融機関も決算書に細かいチェックを入れるわけでもなく、体裁や形式面を整えれば粉飾が発見される可能性がほとんどない。 などが挙げられます。
このような状態を是正するためには、内部統制の基本中の基本ですが、以下が有効です。 ❶事前承認ー【予防的内部統制】 ❷事後チェック・レビューー【発見的内部統制】 ❸一連の業務の役割と責任を物理的に区分するー【職務分掌】
一言申し添えるとすれば、「粉飾や不正に手を染めた人はもちろん悪いが、それを許してしまった環境、ひいては経営者の責任も同じ位重い」ということです。 粉飾や不正に走ってしまった人はその後の人生の大きな部分を失うことになります。もし、企業の内部統制がしっかりしており、良からぬ考えを振り払うことができたら、と考えると経営者の責任は重いのではないでしょうか。
これまで3回に渡り、粉飾の発生要因を述べましたが、もう一度まとめると以下のとおりです。

次回は、粉飾のパターンについてコメントしたいと思います。
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